ひろしの視点
HIROSHI’S POINT OF VIEW
ひろしの視点
2018/08/10
防災投資の拡大が必須 ~財源は国債を活用~
7月初旬の西日本一帯を襲った豪雨は平成最大の被害をもたらしました。
京都でも北部では大きな被害が発生しました。先日の大阪北部地震と今回の豪雨災害。さらにこれから台風シーズンを迎えるわけで、今年は自然災害の多い年と記憶されるかも知れません。
近年の雨の降り方は確実に激しくなっています。一時間あたり降水量80ミリ以上の雨の降り方のグラフ(図1)を見て下さい。
ご覧のとおり、確実に回数が増えています。同様に100ミリ以上の雨の降り方は1.7倍になっている。「想定外」という言葉をよく聞くようになりましたが、そういう雨の降り方は確実に増えているということです。
しかし、それに対して治水関係予算は増えるどころか半分以下になっています。(図2)
これでは、日本人の安心・安全を守ることは出きません。公共事業悪玉論が、本来であれば最も重視しなくてはならない「国民の生活を守ること」をおろそかにしているのです。
さらに、これらの投資はやっていて効果が出ても目に見えないので「感謝されない」そして災害がなくて「あたりまえ」と感じるものです。目に見えないので、必要性が分かりにくい。確かに豪雨がなければ「無駄」でしょう。さらに、治水投資をして生活の安心を守られたとしても、治水事業をやっていたから大丈夫だったのだと考えてくれる人はほぼ「皆無」だと思います。でも、これらの事業はやらなくてはなりません。
こういう「感謝されない」しかし「やらなくてはならない」仕事をしてきたのが、官僚であり、建設事業者です。そして、これらの仕事の必要性を説明し、予算を確保するのは、政治家の仕事です。最近はこのような仕事をする政治家が絶滅して「公共事業は無駄」「ばらまきをやめろ」というスローガンばかりがもてはやされる時代になってしまいました。
このような地味な仕事を確実に計画的に実行することが必要です。何よりも、国民生活の安心安全を守り、同時に経済を活性化させ、デフレから脱却するための原動力にもなり、地方創生にも間違いなく効果があるのです。これらの仕事を確実に実行できるように、財政出動ができる政策に方向転換する必要を改めて感じました。
以前から私は、〝国債を積極的に活用して公共事業の拡大をすべき〟と主張してきましたが、今回の災害を受けて、新しく「日本の未来を考える勉強会」でも提言を取りまとめる予定です。国民の安心安全を守り、デフレからの完全脱却に向けて引き続き尽力して参ります。
-「ひろしの視点」第47号(2018年7月)より-